こんにちは。いおん研のタイビィ(@tiby_white)です。
いおん研はまだあります。無くなってません。前紹介したロボットは無かったことになりそうです。
今回僕は卒研配属してるラボのメンバーでIVRCという大会に出場したのでその体験記、というか感想等を書いていこうと思います。本来この場に書くようなことではないですが、本当に個人的な感想で他の参加メンバーの見解とは一切関係ないという意味も含んでます。
ちなみにチーム名は「だらけハプティクス」、作品名は「ヴィブロスケート」です。
ざっくりとした体験内容はこちらの動画から見られます http://youtu.be/rxFX--JSalA?t=1m42s
IVRCは国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストの略称で、内容はその名のとおり学生がインタラクティブでVRな作品を企画・製作・展示して出来や面白さを競うコンテストです。
今年は5月30日に企画書類提出〆切、6月中旬に書類審査発表、7月5日にプレゼン審査、9月18日に予選大会、10月25日に決勝大会という流れでした。
IVRCに企画を出そうと決めた5月からどのような流れで活動してきたか感想や意見を交えながら書いてこうと思います。
5月~6月の書類審査発表
[やったこと]
IVRCの案出し段階。
メンバーが様々に案を持ち寄ってブレストを行う。無限スカートめくりとか布ディスプレイとか偏光板使ったオモチャとか色々な案が出ては没る。結局10数個出た案の中から3つの案の企画書を提出し、その内1つが書類審査を通過した。年々応募数が増えているようで、書類審査通過はたしか30件/118件
[思ったこと・感想]
IVRCの書類審査を通るには新しさや面白さが必要。面白さと言っても、今までに無かった感覚提示手法でこんな体験ができる!とか実は人間ってこうだよね?みたいな気付きを与えるとか、(ふわふわした表現でスミマセン)そういったタイプの面白さで、ただ単純にエンタメ的な楽しさだけではダメ。そういう意味ではどれだけ技術的にすごそうなことでもそれだけでは通りにくいと思った。ロ技研民的には大きな関門。
書類合格~7月のプレゼン審査
[やったこと]
ひたすらデモ機作ったり実験したりパワポで練習したり。3つ出した案のうち僕が出したのが通ったため自動的にリーダーになった。デモ機のひとつは他のメンバーが別の書類審査のために作ったものを流用した。
プレゼン審査は決められた時間内だけで発表と質疑応答を行う。発表時間はめっちょ短いので発表者はかなり練習していた。
プレゼン審査はギリギリの最下位通過。(後に繰り上がったので下から二番目になった)
[思ったこと・感想]
質疑応答はけっこう技術的なことや曖昧な部分がするどく突っ込まれる。場合によっては質問でなくアドバイスももらえたりする。安全性の配慮について聞かれてちゃんと答えられないと印象が悪そうだと思った。ただ、分からないことを分からないと言っているチームも割とプレゼン審査を通過していたので、分からなければ正直に答えるべきだと思う。逆に適当にごまかそうとしたチームは通ってなかったように思う。
プレゼン審査1位から5位までは審査終了して数十分後にすぐ発表される。今回はたしか1チームごとに審査員が点数をつけていて、5位までは総得点の高い順に選ばれ、6位以下は得点+審査員方の秘密の話合いで決まる。
上位通過はアーティスティックな内容が多いように思う。書類審査の話で書いたように新しかったり面白かったりすれば割と実現が技術的に難しそうでも大目にみられている感じがする。試作機は持ってくとけっこう評価上がる印象。ロ技研民的には内容に自信があればちゃんと試作機持ってってちゃんとプレゼン練習すれば下位通過はできると思う。
「なんでこの作品がこの順位に?」って思うことはあっても「なんでこの作品がプレゼン審査通ってあっちが通らないんだ?」ってのはほとんど無かったからきっと大丈夫。プレゼン発表の練習は最低でも10回はした。
プレゼン審査通過~9月の予選大会
[やったこと]
ひたすら設計加工実験製作……と行きたいところだったがSIGGRAPHの方で仕事があったので4人チームのうち2.5人くらいは手を付けられず。SIGGRAPH終わってからヒーヒー言いながら設計開始。メンバーに仕事を振りながらとにかく作業作業作業。
最終的なパラメタ調整を含めると予選大会の当日早朝に完成。審査は審査コアタイム中に審査員の方がやってきて実際に作品を体験して行われる。この時審査コアタイム開始時にちゃんと動いてたのはうち含め2か3チームだったが、最終的には12チーム中10チーム動いていたと思う。
予選大会では12チーム中7チームが決勝に進出し、僕らのチームは予選2位とお客さんの人気投票1位を頂いた。やったね!ちなみに賞金はすべて輸送費に消えた。残念!
[思ったこと・感想]
普通3か月はかけてやる内容を3週間くらいでやった。何をやり何をあきらめどこに注力しどこを手抜くかの取捨選択をズバッとできたのがギリギリ予選に間に合った要因だと思う。とにかくプレゼン審査から予選大会までが短い上に大会の性質上ハードウェアを扱うことが多いから、本当にものづくり初めてって人には相当キツイと思った。
予選大会には審査開始時にちゃんと動いてたことを褒められた。企画したものを締め切りまでになんとか体験できる状態に持っていけたことももしかしたら評価対象になってたかもしれない。(本当になんとかギリギリどうにかなってただけでサークルで培ったトラブルシューティングノウハウがなければヤバかった)
予選大会からは実際に作品持っていくステージだからロ技研民的にはここで是非とも逆襲したい。
予選大会通過~10月下旬決勝大会
[やったこと]
予選大会では審査員の方から色々とアドバイスを頂ける。また、お客さんにも色々とこうした方が良いという話をしてもらえる。そのアドバイスをもとにブラッシュアップしたものを決勝大会に持っていくという流れ。
予選終わってから決勝が1か月後だからじっくりブラッシュアップできると思いきや今度は僕がニューヨークに遊びに行ってしばらく不在だったり僕が精神を病んでしまって使い物にならなくなったり主に僕のせいでまたギリギリの調整になってしまった。すみませんでした。なんとかなったのは僕の分まで仕事してくれた3人のメンバーのおかげです。
決勝大会はDCEXPOと併催で、DCEXPO3日目に審査が行われた。参加チームは予選通過7チームにユース部門と海外チームが加わり計15チームで行われた。1日目2日目の段階でたくさんの人が体験するので、予選の時よりも耐久性が必要。審査時に最高の状態にできるよう2日目の夜は近くの温泉で泊まり3日目の始発が動いてない時間から調整を始める。
審査はなんとか致命的な不具合を出さずに終われ、結果的に大会2位とユニティ賞を頂けた。
[思ったこと・感想]
完成度を高めるという作業は思った以上に大変だし時間がかかった。何か新しい変更を加えたそばから不具合が出る。しかしこの作業が最終的な体験の楽しさに関わってくるので非常に大切な作業だと感じた。
予選大会にやってくる「分かってる人達」と違って決勝大会にやってくるお客さんは本当に一般の方だから、けっこう無茶苦茶な操作をする。しかし「こうこうこういうことはしないでくれ」とずらずらリストアップしてしまうと楽しい体験ができなくなってしまう。本当に一般の人たちにも安全に楽しく体験してもらうにはハードウェア的な安全対策はもちろん、ソフト的にもハードウェアに負荷がかるような操作をさせないよう誘導したり、どんな人でも体験してもらいたい内容が体験できるようなものをデザインしたりすることが重要だと感じた。
全体を通しての感想
個人で楽しくものづくりも良いですが、たまにはチームでこういうコンテストに出てみるのも良いと思います。
「楽しそう」から始めた企画ですがマネジメントとかレベルデザインとか非常に多くのことを学べました。ゲームとかUIとかアート作品とか色々見る目が変わると思います。 また、VR業界の先生方や某社長さんとお話しさせていただけたりしてとても楽しかったです。
製作期間も短くて作業は大変で大変でやってる間はあまり手放しには楽しめず、というよりプレゼン審査や予選大会で脱落したチームの想いを考えるとプレッシャーで胃が溶けそうだったりしましたが、苦労に見合ったモノは確実に得られたし、現在進行形で得ていると思います。
長くなりました。本当はまだ全然書き足りないのですが。詳しい機構等はまたの機会ということで。勢いで書いちゃったんで抜けてることもあると思います。何か聞きたいことがあれば(@tiby_white)にお気軽にどぞ。答えられる範囲で答えます。
ちょっとでも後輩ちゃんたちにIVRCに興味持ってもらえたら幸いです。楽しいよ
いおん研はまだあります。無くなってません。前紹介したロボットは無かったことになりそうです。
今回僕は卒研配属してるラボのメンバーでIVRCという大会に出場したのでその体験記、というか感想等を書いていこうと思います。本来この場に書くようなことではないですが、本当に個人的な感想で他の参加メンバーの見解とは一切関係ないという意味も含んでます。
ちなみにチーム名は「だらけハプティクス」、作品名は「ヴィブロスケート」です。
ざっくりとした体験内容はこちらの動画から見られます http://youtu.be/rxFX--JSalA?t=1m42s
IVRCは国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストの略称で、内容はその名のとおり学生がインタラクティブでVRな作品を企画・製作・展示して出来や面白さを競うコンテストです。
今年は5月30日に企画書類提出〆切、6月中旬に書類審査発表、7月5日にプレゼン審査、9月18日に予選大会、10月25日に決勝大会という流れでした。
IVRCに企画を出そうと決めた5月からどのような流れで活動してきたか感想や意見を交えながら書いてこうと思います。
5月~6月の書類審査発表
[やったこと]
IVRCの案出し段階。
メンバーが様々に案を持ち寄ってブレストを行う。無限スカートめくりとか布ディスプレイとか偏光板使ったオモチャとか色々な案が出ては没る。結局10数個出た案の中から3つの案の企画書を提出し、その内1つが書類審査を通過した。年々応募数が増えているようで、書類審査通過はたしか30件/118件
[思ったこと・感想]
IVRCの書類審査を通るには新しさや面白さが必要。面白さと言っても、今までに無かった感覚提示手法でこんな体験ができる!とか実は人間ってこうだよね?みたいな気付きを与えるとか、(ふわふわした表現でスミマセン)そういったタイプの面白さで、ただ単純にエンタメ的な楽しさだけではダメ。そういう意味ではどれだけ技術的にすごそうなことでもそれだけでは通りにくいと思った。ロ技研民的には大きな関門。
書類合格~7月のプレゼン審査
[やったこと]
ひたすらデモ機作ったり実験したりパワポで練習したり。3つ出した案のうち僕が出したのが通ったため自動的にリーダーになった。デモ機のひとつは他のメンバーが別の書類審査のために作ったものを流用した。
プレゼン審査は決められた時間内だけで発表と質疑応答を行う。発表時間はめっちょ短いので発表者はかなり練習していた。
プレゼン審査はギリギリの最下位通過。(後に繰り上がったので下から二番目になった)
[思ったこと・感想]
質疑応答はけっこう技術的なことや曖昧な部分がするどく突っ込まれる。場合によっては質問でなくアドバイスももらえたりする。安全性の配慮について聞かれてちゃんと答えられないと印象が悪そうだと思った。ただ、分からないことを分からないと言っているチームも割とプレゼン審査を通過していたので、分からなければ正直に答えるべきだと思う。逆に適当にごまかそうとしたチームは通ってなかったように思う。
プレゼン審査1位から5位までは審査終了して数十分後にすぐ発表される。今回はたしか1チームごとに審査員が点数をつけていて、5位までは総得点の高い順に選ばれ、6位以下は得点+審査員方の秘密の話合いで決まる。
上位通過はアーティスティックな内容が多いように思う。書類審査の話で書いたように新しかったり面白かったりすれば割と実現が技術的に難しそうでも大目にみられている感じがする。試作機は持ってくとけっこう評価上がる印象。ロ技研民的には内容に自信があればちゃんと試作機持ってってちゃんとプレゼン練習すれば下位通過はできると思う。
「なんでこの作品がこの順位に?」って思うことはあっても「なんでこの作品がプレゼン審査通ってあっちが通らないんだ?」ってのはほとんど無かったからきっと大丈夫。プレゼン発表の練習は最低でも10回はした。
プレゼン審査通過~9月の予選大会
[やったこと]
ひたすら設計加工実験製作……と行きたいところだったがSIGGRAPHの方で仕事があったので4人チームのうち2.5人くらいは手を付けられず。SIGGRAPH終わってからヒーヒー言いながら設計開始。メンバーに仕事を振りながらとにかく作業作業作業。
最終的なパラメタ調整を含めると予選大会の当日早朝に完成。審査は審査コアタイム中に審査員の方がやってきて実際に作品を体験して行われる。この時審査コアタイム開始時にちゃんと動いてたのはうち含め2か3チームだったが、最終的には12チーム中10チーム動いていたと思う。
予選大会では12チーム中7チームが決勝に進出し、僕らのチームは予選2位とお客さんの人気投票1位を頂いた。やったね!ちなみに賞金はすべて輸送費に消えた。残念!
[思ったこと・感想]
普通3か月はかけてやる内容を3週間くらいでやった。何をやり何をあきらめどこに注力しどこを手抜くかの取捨選択をズバッとできたのがギリギリ予選に間に合った要因だと思う。とにかくプレゼン審査から予選大会までが短い上に大会の性質上ハードウェアを扱うことが多いから、本当にものづくり初めてって人には相当キツイと思った。
予選大会には審査開始時にちゃんと動いてたことを褒められた。企画したものを締め切りまでになんとか体験できる状態に持っていけたことももしかしたら評価対象になってたかもしれない。(本当になんとかギリギリどうにかなってただけでサークルで培ったトラブルシューティングノウハウがなければヤバかった)
予選大会からは実際に作品持っていくステージだからロ技研民的にはここで是非とも逆襲したい。
予選大会通過~10月下旬決勝大会
[やったこと]
予選大会では審査員の方から色々とアドバイスを頂ける。また、お客さんにも色々とこうした方が良いという話をしてもらえる。そのアドバイスをもとにブラッシュアップしたものを決勝大会に持っていくという流れ。
予選終わってから決勝が1か月後だからじっくりブラッシュアップできると思いきや今度は僕がニューヨークに遊びに行ってしばらく不在だったり僕が精神を病んでしまって使い物にならなくなったり主に僕のせいでまたギリギリの調整になってしまった。すみませんでした。なんとかなったのは僕の分まで仕事してくれた3人のメンバーのおかげです。
決勝大会はDCEXPOと併催で、DCEXPO3日目に審査が行われた。参加チームは予選通過7チームにユース部門と海外チームが加わり計15チームで行われた。1日目2日目の段階でたくさんの人が体験するので、予選の時よりも耐久性が必要。審査時に最高の状態にできるよう2日目の夜は近くの温泉で泊まり3日目の始発が動いてない時間から調整を始める。
審査はなんとか致命的な不具合を出さずに終われ、結果的に大会2位とユニティ賞を頂けた。
[思ったこと・感想]
完成度を高めるという作業は思った以上に大変だし時間がかかった。何か新しい変更を加えたそばから不具合が出る。しかしこの作業が最終的な体験の楽しさに関わってくるので非常に大切な作業だと感じた。
予選大会にやってくる「分かってる人達」と違って決勝大会にやってくるお客さんは本当に一般の方だから、けっこう無茶苦茶な操作をする。しかし「こうこうこういうことはしないでくれ」とずらずらリストアップしてしまうと楽しい体験ができなくなってしまう。本当に一般の人たちにも安全に楽しく体験してもらうにはハードウェア的な安全対策はもちろん、ソフト的にもハードウェアに負荷がかるような操作をさせないよう誘導したり、どんな人でも体験してもらいたい内容が体験できるようなものをデザインしたりすることが重要だと感じた。
全体を通しての感想
個人で楽しくものづくりも良いですが、たまにはチームでこういうコンテストに出てみるのも良いと思います。
「楽しそう」から始めた企画ですがマネジメントとかレベルデザインとか非常に多くのことを学べました。ゲームとかUIとかアート作品とか色々見る目が変わると思います。 また、VR業界の先生方や某社長さんとお話しさせていただけたりしてとても楽しかったです。
製作期間も短くて作業は大変で大変でやってる間はあまり手放しには楽しめず、というよりプレゼン審査や予選大会で脱落したチームの想いを考えるとプレッシャーで胃が溶けそうだったりしましたが、苦労に見合ったモノは確実に得られたし、現在進行形で得ていると思います。
長くなりました。本当はまだ全然書き足りないのですが。詳しい機構等はまたの機会ということで。勢いで書いちゃったんで抜けてることもあると思います。何か聞きたいことがあれば(@tiby_white)にお気軽にどぞ。答えられる範囲で答えます。
ちょっとでも後輩ちゃんたちにIVRCに興味持ってもらえたら幸いです。楽しいよ