皆さん、就活や研究は進んでいますか?
僕は進んでいません。ニックさんです。
そんな日々の鬱憤を晴らすために、今日は複雑ネットワークについて勉強したいと思います。



複雑ネットワークとは現実に存在するネットワークがどのような構造となっているかを研究する学問分野です。
ロボット技術研究会とは無縁(?)に思える領域かもしれませんが、
実はロボット技術研究会に深い意味を持つ学術領域でもあります。
何故かと言うと……Twitter_logo_blue
そう、Twitter



実はロボット技術研究会の部員の半数以上はTwitterなどに代表されるSNSを利用しています。

今や我々の生活を語る上で欠かせないSNSによるコミュニケーション。
その裏に潜む数理をロボット技術研究会のTwitterネットワークを例に勉強してみましょう!


1,ロ技研のTwitterネットワークを見てみよう!
まずはロボット技術研究会に所属している部員達が織りなす、Twitter上でのフォロー・フォロワー関係を
グラフを用いて図示してみましょう。
graph
なんなんだこれは………
(ちなみにこのデータの取得には、部員の13ざくろ君にスクリプトをぶん回してもらいました。感謝!)
グラフの青い円は個人のTwitterアカウントを表していて、矢印はフォロー・フォロワー関係を表しています。
が、全くわかりません。

何故かと言うと、個人のTwitterアカウントに対してその結合が密すぎるからです。
図示以外にネットワークを測る為の物理量として、クラスタ係数平均最短経路長などがあります。
大雑把に説明すると、
  • クラスタ係数:「友達の友達が友達であるか?」の度合い。密度。
  • 平均最短経路長:グラフの直径
となります。
実際にロボット技術研究会の織りなすネットワークのクラスタ係数と平均最短経路長を調べてみると……?
  • クラスタ係数 :  0.71
  • 平均最短経路長 :  1.61
となっていました。
大雑把にロ技研ネットワークを考察すると、
比較的密に結合していて」「任意の部員に1.61人経由でたどり着ける」と言えます。
こういったネットワークをスモールワールド・ネットワークなんて呼んだりもするそうです。

結論:ロ技研は仲良し






2,パクツイはどのように広まっていくか?
ロボット技術研究会の仲の良さを再確認したところで、
このネットワーク上で面白そうな現象の数理モデルを構築してみましょう。

まずはこの画像を御覧ください。
wakarukigasuru
他の人が投稿したツイートと同じツイートを短い期間で何度も投稿する……
これが悪名高きパクツイと呼ばれる文化です。

ロボット技術研究会のタイムラインでは(内輪ネタとも言うべき)気持ち悪いパクツイを行う風潮があります。
しかしながら、いつでもパクツイになるかどうかは非自明であり、
どのようにパクツイの連鎖が生まれるのかは明らかになっていません。

そこで、パクツイが生まれる現象を数理モデル化してみましょう!

wakarumodel

上の図がパクツイの数理モデルの図示です。
いわゆるSIRモデルを変形したようなモデルとなっています。
まずはじめにパクツイの元となるツイートを行った人物をInfectedとしましょう。
Infectedをフォローしている人がそのツイートを見て、確率pでパクツイを行います。
パクツイを行った人物もまたInfectedとなり、次々と連鎖的にパクツイが行われるわけです。害悪ですね。
また、一度Infectedになった人物はRemovedとなって隔離されます。

このような簡単なモデルを用いて、一人の人物からパクツイが広がるかどうかを
実際のロ技研のTwitterネットワーク上で数値シミュレーションを行ってみました!
その結果がこちら。

wakaru2

横軸がパクツイの感染確率pで、縦軸mはネットワーク全体にパクツイが広がったかどうかの度合いです。

眺めてみるとp=0.01までは全くパクツイが広がっていませんが、
p>0.01付近から一気にパクツイが爆発的に広がっている用に思われます。
この爆発的な立ち上がりこそロ技研TLのパクツイの害悪さの全ての根源であるようにも思えますね。

このように「一気に値が立ち上がる現象」はTwitterでのパクツイだけではなく、
様々な身の回りの現象に見られるのですが、その話は難しいのとツッコミの激しくなりそうなので割愛します。

結論:ロ技研のTwitterでの害悪さを数値的に確認できた!




みなさんもSNSの使い方には気をつけましょう。