きたろーです。
最近,流行の3Dプリンタの後処理について書きます。
僕は部室においてある3Dプリンタは触ったことが無いので,
実際の3Dプリント方法については他の人にお任せします。

さて3Dプリンタのメリットの1つは「曲面を作ることができること」です。
しかしながら細いフィラメントを積層して造形する以上どうしても表面に
でこぼこができ,見栄えが悪くなってしまいます。そこでアセトン表面処理です。
処理前後
↑左が処理前,右が処理後です。明らかに表面性状が違います。
アセトン処理することで表面の凸凹をならしツルツルの表面を作ることができます。
(高い3DプリンタだとABS以外の樹脂でプリントする物もありますが,今回はABSのみを対象とします)

アセトン処理にはアセトンを液体のまま使う方法蒸気にして使う方法の2種類がありますが、
僕は今回蒸気にして使う方法を試してみました。
基本的なやり方は下記サイト準拠です。
IDEAHACK:http://ideahack.me/article/174

アセトンは薬局やインターネットで購入することができます。
アセトンには発癌性がありますので取扱いには注意しましょう。舐めてはいけません。
※除光液の主成分がアセトンなので買ってみましたが,あまり濃度が高くありませんでした。
アセトンを買ったほうがベターだと思います。

◆使うもの◆
・ホットプレート
ホームセンターなんかで売ってる安い物。ON/OFFしかない。
・温度計
温度調整用。人力でホットプレートの温度を調整。
・ガラスビン
100円ショップで購入。
・針金、アルミ箔
ワーク(処理対象物)を固定するため。
環境
↑アセトン蒸気を吸い込みたくないので屋外でやりました。夜中です。
 
◆手順◆
・1
ガラスビンのそこに2,3㎜程度のアセトンを入れ、
ガラスビンごとホットプレートの上に乗せます。
ふたは載せてるだけで密閉はしていません。
ホットプレートの温度を120°程度まで上昇させアセトンを沸騰させます。
・2
しばらくするとガラスビン内面が汗をかきはじめます。
ガラスビンは底面が一番熱く下から上に温度勾配ができています。
そのため少なくとも汗をかいているところより下の部分はきちんとアセトン蒸気で満たされています。
このままだとアセトンがどんどん沸騰して減ってしまうのでプレートの温度を90℃程度まで下げます。
・3
ここで3Dプリンタで作ったワークをビンの中に入れます。
底のアセトン液に直接入れるとマズイのでアルミ箔で作った台座に載せるか針金で吊るすかします。
処理中
↑ワークを針金で吊っています。左側の棒は温度計です。
ワークの表面がしっとりと濡れたような感じになり,それがそのまま固まります。
・4
2,3分くらいで取り出します。あんまり時間に神経質になる必要性はなさそうですが,僕は5分以上やる必要性はあまり感じませんでした.
このあとしっかり乾かします。乾かす前に触るとワークが糸を引いたり触った表面が荒れたりするので注意が必要です。
のってぃ比較
↑左処理前,右処理後(積層ピッチ0.254mmのワークに対して8分ほど処理を行ないました.これはちょっと長すぎました.)

4分半
↑処理時間4分でもこれだけツルツルになります
 
◆注意点◆
固定方法に注意。
アルミ箔で作った台の上にワークを置くとアルミ箔がくっつきます。
針金で吊るすと針金とくっつきます。
場合によっては針金がワークの中に食い込みます。アルミ箔の台の方が優秀ですが
取り出しが難しいのでアルミ箔で作った台に針金で取っ手をつけたいところです。
アルミ箔とくっついた
↑アルミ箔とくっついたせいで表面が荒れている
針金とくっついた
↑針金とくっついたせいで凹んでしまった


<おまけ:温度を90℃に保つ方法>
僕はホットプレートの温度が89℃くらいになったらホットプレートをONにして,
数秒で温度が94℃とかになるのでOFFにします。数分後温度が89℃くらいまで下がってくるので.....以後繰り返し

<使用したデータ>
MMDモデル「たこルカbyマシシ」5.0
http://www10.plala.or.jp/masisi/DL_vocaloid.html

野々市市公式キャラクター「のっティ」
https://www.city.nonoichi.lg.jp/notty/index.html
(画像から3Dデータの作成を行ないました.)